勝央福祉会から派遣された職員の派遣先は、「JRAT(ジェイラット)」という組織でした。これは「Japan disaster Rehabilitation Assistance Team」の略称で、日本語では「大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会」と言います。日本全体を統括する組織と、都道府県支部があり、今回、職員が参加したのは岡山県支部である「岡山JRAT」でした。主に、岡山県理学療法士会、岡山県作業療法士会、岡山県言語聴覚士会にて構成されています。
このJRATは発災後に起こり得る生活不活発病などを予防し、被災者及び被災地のリハビリテーション関連施設やネットワークなどの早期自立・再建、さらは早期復興を見座して、組織的なリハビリテーション支援を展開すうるために結成された団体です。
生活不活発病とは活動が制限されることによって、活動量が低下し、心身の機能低下が起こるものです。生活不活発病が起こることで、他の病気が発生するきっかけになることがあります。東日本大震災や熊本地震を通じて、生活不活発病の予防が重要であることが強く認識されました。例えば、避難所であまり動かずに生活している時間が長くなると、脚に血栓という小さな血の塊ができます(深部静脈血栓症といいます)。これらが血管を通じて体の他の部分に運ばれ、細い血管のフタをしてしまうことがあります。これにより脳や心臓、肺などの臓器に悪影響が起きてしまいます。
JRATは「からだを動かすことの専門家」として活動が低下を予防するように、避難所の環境を整備して活動しやすくなるようにしたり、体操の指導を行います。避難所には高齢者や障害をお持ちの方もおられるため、専門の知識が必要になることがあり、そのような際にはJRATのスタッフの専門性が活かされます。