これまで、5回に渡って、筆者(派遣者)の災害支援の活動について記載いたしました。お読みいただいた方、ありがとうございます。活動を振り返ってみたいと思います。
筆者は岡山県の3つの大きな川の一つである旭川のそばに住んでいます。今回の豪雨災害の際には幸い被害はありませんでしたが、一番雨のひどかった夜、テレビの避難情報とインターネット川の水位の情報を見て、「この川も越水の恐れがあるから避難所に避難しよう」と決めました。一晩を体育館の中で過ごし、避難所の過酷さを少しながら身をもって体感しました。夜の間、体育館に避難されている方々から、「うちは床下まで浸水した」、「畑や田んぼが水浸しだ」などと聞き、ただ事ではないと感じました。
そして、私は一晩を過ごして私は無事に帰ることができましたが、そこで目の当たりにしたニュースで目を疑いました。自分の知っている場所がこのような水害に合うなんて…。私は「リハビリテーション職として支援の要請があれば、参加したい」と考えていると、岡山県の役員さんからメールが回ってきました。幸い仕事の調整がつけていただくことができ、仕事の合間に多くの支援を行いました。
災害支援について岡山県のスタッフは初めてのスタッフが多く、私もその中の一人でした。手探りでいろんな方に支えられ、活動を行ってきましたが、課題もたくさんあったように感じます。専門職としての支援活動が終わり、今はまた日常の生活の中にいます。私は災害支援を本業をしている訳ではないので、日常の業務に戻ると、あまり考えなくなってしまいます。でも、ニュースを見たりすると、胸が痛くなり、この経験をどう活かすべきか、自問自答してしまいます。
被害に遭われた方のご冥福と、いち早い復興、そして自然災害の多い日本で、今後の災害被害が小さくなるような仕組みづくりが進むことを切に願っています。ありがとうございました。
以下は、筆者(派遣者)が岡山県理学療法士会の会報ならびにJRATの活動報告書に掲載するために、調整本部の活動についてまとめたものから最後に記載したものです。転載いたします。
4)課題ならびに改善の視点
私達岡山県のスタッフの活動は、県外のJRATの支援が入るまでは手探りでの活動だったように感じます。訓練を受け活動経験のある方に関わっていただいたことで、情報の整理もしやすくなり、今後の見通しも考えられるようになりました。改めて平時からの準備、訓練の重要性を感じました。今回岡山県内の多くのスタッフが関わったので、それらの経験を活かし更なる体制づくりをしていく必要があるのだろうと考えます。
最後に、今回の豪雨によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと当時に、一日も早い復興と、被災された方々のご安心をお祈り申し上げます。
<岡山県理学療法士会の会報より>